私は雨に濡れながら

駆ける・・・

醜い私自身を洗い流すように

雨の中に立ち止まる、私の瞳
に映る人・・・

それは、ヨウジだった。

彼は私の傍へ駆け寄り、私に
手を差し出す。

「ミオ・・・」

彼の手に触れようとしたその時
私を呼ぶ低い声が聞こえた。

「ミオちゃん・・・」

私は、イサオさんの姿を
見つける。

その後は
もう何も憶えていない。
 
ただ、彼の腕の中に包まれた私
は心から安心する。

「ミオ・・・どうして・・・」

ヨウジの悲痛の声が聞こえた
 
貴方も、また苦しんでいるの
だろう・・・