私は、バイト先へ向かう途中に
妊婦さんと出会う。
 
大きなお腹を気遣いながら
落とした傘を拾おうとしゃがむ
姿勢・・・

それを手助けする優しいご主人

私は、自分が、酷く嫌な人間に
思えた。

同じ女として、一人で出産を
するという事。
 
それは、とても過酷な事。

今、彼女には、アキラやイサオ
さんの手助けが必要なのに・・

私は、自分の想いを優先して
大切な事を見失っていた。

恥ずかしい人間・・・

私は、バイト先へ欠勤の連絡を
いれて、一人、街を歩く。

どんどん歩く・・・

昨夜の雨が、また降り出した
 
雨は、次第に強くなって
私の全てを濡らす。