工房の外から、イサオさんに
出て来るように手招きをする
セリナさんのご主人、長尾さん

長尾さんとイサオさんは
大親友・・・

イサオさんは私を一人、室内に
残して外へ出て行き扉を閉めた
 
「イサオ
 セリナが来てるだろう?
  
 呼んでくれないか」

イサオさんの表情が険しくなり
その冷めた目線で、けんか腰に
長尾さんを見つめる。

「呼ばないよ」

「何・・・
 
 セリナは俺の妻だぞ
 返してもらう」

工房の扉に、長尾さんは
手をかけた。
 
その手を、イサオさんは
強く払う。
 
「中には入れないよ・・・

 おまえ
 セリを裏切ったらしいな
  
 俺に昔、約束したよな
  
 絶対に、セリを悲しませたり
 しないと」