『頂けない』と言ったと思えば
  
『頂きます』と言う

そんな私の態度に、イサオさん
は苦笑し、私もつられて笑って
しまう。
 
「昨日は、眠れた?」

私は、化粧で隠した目の下の
くまに指で触れる。

「はい・・・
 いいえ、あまり眠れなくて」

「そう、俺もアキラも、昨日は
 あんまり眠ってないよ
  
 セリは、君が帰った後には
 もうベッドに横になってた
 けど、俺とアキラは、二人で
 朝方まで酒を飲んでたからね
  
 久しぶりにアイツと兄弟で
 たくさん話せたよ」

イサオさんは昨日の会話を
思い出しながら少し微笑む。
 
「アキラは言ってたよ
  
 セリの事は気になるけど
 今君が泣いていないか
 その事の方が気になるってね
  
 ミオちゃんの事が、心配で
 たまらないらしい」