「遅くなっても、私が
 取りに行くしかないわね」

「店長、大丈夫です
  
 私が、イサオさんの工房へ
 商品を受け取りに行って
 来ます」

「本当、お願いできる・・・」

そして、私はまた、この場所に
立っている。
 
工房内では、眼鏡姿のイサオ
さんが製作をしていた。
 
その眼鏡の下の真剣な眼差しに
私はまた釘付けになる。
 
製作をしている彼は、本当に
素敵で手元を見つめる視線
横顔に色気すら漂う。
 
尊い彼の世界に、私は魅了され
声をかける事ができないまま
見続ける。

そんな私の目線に、人の気配を
感じた彼の手が止まった。
 
そして、私の存在に驚きながら
工房の扉を開ける。

「ミオちゃん・・・どうぞ」