今日の私は、全く仕事が
手につかない。

一刻も早く時間が経ってほしい

早く・・・

「ミオ、どうした
 気分でも悪い?」

「店長・・・大丈夫です」
  
大丈夫だと言いながらも元気の
ない私に店長は、とても困った
表情で話を続けた。

「午後からミオに、イサオさん
 の工房へ行って来てもらおう
 と思ったんだけど、やっぱり
 私が行くしかないわね」

「どうかしたんですか?」

昨日のお客様が、同じ
アクセサリーを旦那さまと
お揃いで付けたいと、鎖の部分
を男性物にできないかとの
ご要望があったらしい。

「昨日、イサオさんにはOKして
 もらえて、今日の午前中に
 白石が取りに行く予定だった
 けど、イサオさんに急用が
 入ってしまって・・・」
  
午後に変更になった為に伺う
はずの社員は違う取引で伺え
なくなり、店長もこの後
大切な仕事がある。
 
お客様は、明日一番に商品を
取りに来る予定になっている為
にどうしても今日、工房へ商品
を取りに伺わなくてはならない