「私は、大丈夫だから
 アキラは、セリナさんの傍に
 居てあげて、今、彼女は
 とても不安なはず・・・
   
 それにこれ以上、イサオさん
 とセリナさんの関係をご主人
 に誤解される事だけは避けた
 方がいい
   
 話を混乱させる一方だもの
 だから早く、二人の元に
 戻って・・・」

私が車を降りようとした時
アキラは呟く。

「ミオ、俺を信じてくれて
 ありがとう」

私は、微笑んでみせた。
  
走り去る車を遠くに見つめ
ながら、本当は彼女の元へなど
彼を行かせたくは無かった。

だけど、アキラは彼女の傍を
離れられない程に心配な表情
を私の隣で浮かべていた。
  
そんな彼を私が縛る事は
できない。
  
アキラは、アキラの想いの
ままに・・・
 
今の私は、彼を信じるしかない