「でも、今日だけは
 ここに泊めてほしい
  
 他に行くところがなくて
 ・・・」

ご主人に打たれた痕に
セリナさんの瞳から溢れた
綺麗な涙が滲みていく。

アキラは彼女の傍へ行きたい
気持ちを抑え、両手の拳を
握りしめていた。

さっきの二人とは反対に
イサオさんが彼女の傍に・・
交差する想い
 
「ここに居ていいよ
  
 明日、俺が実家にちゃんと
 送っていくよ
  
 心配しないで」

「アキラも、今日は
 ここに居てあげて・・・」
 
私は、心とは

裏腹の言葉を話す・・・

マンションの前に停車している
車内で話す二人。
 
「ミオ、本当に一人で大丈夫?
 やっぱり俺も一緒に・・・」