「おまえだって、俺と結婚
 していながらイサオの事が
 ずっと好きなくせに・・・
  
 子供だって、本当は
 彼奴の子なんだろう」

違うと彼の腕を掴んだ彼女の手
を彼は強く振りほどき、彼女は
腕を机に打ちつけたらしい。
 
「セリは長尾さんと別れて
 一人で子供を産んで育てる
 そう言ってる
  
 もう、彼とやっていく自信が
 ないらしい

 俺も、その方がいいと思う
  
 不信を抱かれて産まれてくる
 子供の為にも・・・

 アニキはどう思う?」
  
「これは、俺たちが関与できる
 問題じゃない
 
 俺は子供の父親じゃない
 
 長尾とセリがちゃんと
 向き合って話さなくては
 いけない問題だ
  
 でも、今の状態のセリを長尾
 の元へ帰す訳にはいかない
 当分は、ここに住ませる
 他ない」