アキラ・・・
 
私は、この時、貴方に抱きしめ
られて、貴方を信じようと心に
決めた。

セリナさんは今、イサオさんの
ベッドで眠りについている。
 
この二、三日、一睡もしていな
い彼女は、イサオさんの匂いに
包まれて安心して眠る。

「そうか
 やっぱり長尾が・・・」

セリナさんの頬の傷はご主人に
打たれた痕。
 
子供ができた事に喜んだ夫婦は
毎日幸せに暮らしていた。
 
家に居る事が多くなった彼女は
気づかされた事がある。
 
それは無言電話の多さ、それに
帰りの遅いご主人からキツい
香水の薫りがする・・・

彼女は、黙っていられずに
ご主人に問いつめた。
 
何度も何度も問いかける彼女に
苛立った彼は、彼女の頬を打ち
あっさりと浮気を認めた。
 
そして酒に酔っていた彼は
彼女に酷い言葉を吐く。