「じゃあ、車を取りに
 戻ってたのか?」

アキラは無表情のままに
顔を左右に振る。

「電車で来たよ・・・」

愛想の無い返事を続けるアキラ
にイサオさんも彼の異変を感じ
とった。

「そうか、電車で来たにしては
 着くのが遅くないか?」

アキラは、何も話さない・・・

会社で何か嫌な事でも
あったの?
 
そう聞こうとした私は
その言葉を飲み込んだ。

彼は私に対して、何かを
怒っている。
 
まさか、イサオさんとのキスを
見られていたのかも・・・

「遅れて来て、その態度は
 無いだろう
  
 何か言いたい事があるなら
 はっきり言えよ」

イサオさんはアキラの態度の
悪さに腹を立て、そう、強く
言い放つ。

「じゃあ聞くけど、アニキは
 ミオが好きなの?」