イサオさんと二人きり、静かに
時間だけが過ぎて行く。

交わしたキスの事が、お互いの
心に引っかかり、私たちは
何も話せない。

ただ、アキラが来るのを待って
いたが、なかなか彼は現れない

どうしたのだろう・・・

遅れて来た彼はいつものように
私を見つめてはくれない。
 
ただいまと声をかけ
微笑んではくれない。
 
よそよそしく、私の事を避ける
 
まるで、無関係であるように。

そんな彼の異変に、私はすぐに
気がついた。
 
明らかに、今朝の彼とは別人。

室内には、重い空気が漂う。
 
「アキラ、仕事終わるの
 遅かったんだな」

「ううん、定時に終わった
 ・・・」