いろんな想いが交差する私の頬
を涙が流れる。
 
アキラに、本当の自分を
曝け出す事ができない
もどかしさ。

イサオさんにキスされた驚き

そして、イサオさんが恋人の名
を呼ぶ、その優しい響きに
私の胸は締めつけられる。

「ごめん・・・」

「違うんです、イサオさん私
 アキラに、自分の真実を話す
 事ができなくて苦しくて・・
  
 イサオさんに助けてほしい」

彼は、私をそっと抱きしめて
くれた。

「今日、話す?
  
 俺が傍に居てあげるよ」

工房の方から強い風が室内に
流れて赤いカーテンが揺らめく
 
誰かがドアを開け、出て行った
ような気がした。