「俺がなるべく迎えに行く
 だから心配しないで」

「アキラが無理な時は俺に
 電話して、代わりに
 俺が迎えに行くよ」

「私なら大丈夫です
 いざって時は大声を出して
 タクシーに飛び乗ります
 から・・・」

ヨウジからずっと、身を隠し
続ける事なんてできない・・・

私自身が強くならなくては
いけない。
 
彼の前で震えて何もできない
・・・それでは駄目だ。
 
私は、そう強く自分に言い
聞かせた。

とりあえずの荷物をまとめて
部屋を出る三人。
 
イサオさんの車に着いた頃
私は忘れ物に気がついた。

「ごめんなさい、忘れ物・・」