「君はさっきの?
 ここで、何してる」

アキラさんは、ヨウジを鋭く
尖った目つきで睨み続けた。
 
そんな彼の目線からヨウジは
一度も目を背ける事なく
アキラさんの私を真剣に
守る姿を見て嗤(わら)う。 
 
「ミオは誰にも渡さない・・・
 
 俺は、永遠にミオの心の中に
 存在し続ける
 
 いづれ、アンタは俺の存在の
 為に彼女を拒絶するさ
 
 ミオを心から愛しているのは
 俺だけだ」

そう吐き捨てるように言い放ち
ヨウジは私の部屋を出て行った
 
ヨウジがこの場にいなくなり
ほっと安心した私は玄関のドア
を背にその場にしゃがみ込む。
 
その時、アキラさんと
繋いでいた手が解けた。
 
彼もまた、その場にしゃがんで
震える私を、そっと抱きしめて
くれた。

「ミオちゃん、大丈夫・・・
 こんなに震えて」