早く、ヨウジの腕から逃げ
出さなければ、私は、また
過去に引きずり込まれていく

誰かの助けを求めているだけ
では、何も変わらない。
 
私自身が、この傷を
受け入れて強くならなければ
・・・

私はヨウジの手を振りほどき
大声をあげた。

「やめて・・・離して」

私の抵抗に驚くヨウジは
とても寂しい瞳で私を見つめた
 
「俺は、この日をずっと
 待っていた
 
 ミオ、おまえをこの手に
 取り戻すこの日を・・・」

「やめて・・・最初に
 私を裏切ったのはアナタ
  
 あんな事がなければ、私は
 ずっとヨウちゃんの傍に
 居られたのに・・・」

彼は、薄ら笑いを浮かべて言う

「いや、おまえはあの事が
 なければ、もうとっくに
 俺を裏切っていたさ
  
 違う男の元へ」