「アキラさん・・・」

「答えは、今でなくていいよ
 ゆっくり考えてから
 聞かせてほしい」

話終えた彼は、やっといつもの
彼自身に戻り、その後は
子供のように目をキラキラ
させながら、いろんな楽しい話
を私に聞かせてくれた。
 
彼の夢中で話し、見つめる瞳に
私の胸は高鳴る。

アキラさんに、家の近くまで
送ってもらい別れの時間は迫る
 
二人は、夜道に立ち止まる。

「今日は、ありがとう
 急にバイト先まで押し掛けて
 ごめんね」

「いえ、こちらこそ、美味しい
 食事をごちそうになり
 ありがとうございました」

「今日は、楽しかったよ
 それじゃ・・・また」
 
帰って行く、彼の後ろ姿を
私はずっと見つめる。
 
あの日のように、彼は振り返り
叫んだ。

「俺は、君が好きだ」