その後は、二人とも何も話す事
なく私の家の前に着いた。
 
車から降りる私の傍に
アイツが近寄る。

「ミオ、久しぶりだな・・・」
  
私は、運転席のイサオさんに
助けを求めるように見つめた
 
彼は急いで運転席から降りて
私の手を握ってくれた。

「お父さんだよ、少し痩せた
 から分からないかな
  
 この人は
 おまえのいい人かい?」

「違う・・・」

「榊枝功(サカエダ イサオ)
 です
  
 ミオさんとは、お仕事の関係
 で、お付き合いさせて頂いて
 います」

「そうですか?
  
 娘は、昨日から帰っていない
 ようなんですが貴方の家に
 ・・・」

厭らしい目つきで私たちを
見つめる義父にはうんざりする