「いいんだ、セリ、大丈夫?
 ほら、座って」

「ありがとう・・・」

「セリ、俺はもう誰とも
 つきあうつもりは無い
 だから、安心しな
  
 ミオちゃんにも
 ちゃんと謝れよ」

「ごめんなさい・・・
 ミオちゃん、ごめんね」

私は、好きな人に振り向いて
ほしい彼女の気持ちが分かる

自己嫌悪に陥ったセリナさんの
事を、アキラさんは傍で見守り
大丈夫だと優しく声をかけ
続けていた。
 
彼のその言葉に、セリナさんの
心も落ち着いていく。

私は今、イサオさんの車の
助手席に座り、家まで
送ってもらっている。

車内は、耐えきれない程の
重い沈黙が続く。
 
彼は、走るスピードを減速させ
車道脇に停車した。
 
そして、ポツリと
独り言のように話し出した。