セリナさんもまた、どうしよう
もない行く場のないイサオさん
への想いに、心は傷ついている
 
彼を責める度に、彼女の心は
悲鳴を上げている。
  
でも、言わずにはいられない

腫れた瞼に真っ赤な瞳、涙は
枯れる事なく溢れながら
彼女はイサオさんの愛が欲しい
と、ただ彼を見つめるしかない
  
彼女も一度は、その苦しみから
解放される為に、今のご主人と
の結婚を選んだのだろう。
 
けれどイサオさんへの想いは
決して消える事はなかった。

「ごめんなさい・・・イサ
 ごめんなさい・・・
 アキちゃん」

彼女は言いたい事を述べた事で
ほんの少し、心は落ち着いたが
同時に空しさだけが残る。