私が好きなのは

アキラさん・・・
 
昨夜、彼とひとつになりたいと
願い、彼の腕に抱きしめられ
私は心から幸せだった・・・
なのに・・・

アキラさんの愛が欲しいと願う

わたし。
  
イサオさんの愛を求める

わたし。

どちらが、私の本心なの?

アキラさんがドアを開き
携帯電話を片手に話しながら
部屋から出て来た。

「それで、進めてください
 後は、明日、早めに現場に
 伺って調整します
  
 今日は、すみませんでした
 宜しくお願いします
 
 ・・・
  
 アニキ、携帯ありがとう
 何か飲むよね
 コーヒーでいい?」

「わたし、手伝います」
 
私は、イサオさんと二人きりで
リビングに居る事に耐えきれず
キッチンへと向かう。

私は、ここで何をしているの?
 
二人に会う事を躊躇(ためら)
う一方で、こうして二人と
時を過ごしている・・・