私は、彼の本心を聞いてみたい

そう強く思った。

「ごめんなさい・・・

 私にはイサオさんの本心が
 ・・・(わからない)」

私が話す言葉を掻き消すように
イサオさんの声が重なる。

「俺こそ、ごめん
 君を困らせてしまった」

「ううん、違う・・・
 (私が聞きたいのは)」

「君が好きなのはアキラなのに
 俺の出る幕じゃない
  
 仮にもし、俺と君の二人が
 付き合っても、俺がナツキ
 ・・昔の恋人を忘れない限り
 君を傷つけるだけの存在に
 なってしまう
  
 そんな事にも気づかすに
 俺は・・・

 さっきの言葉は
 
 忘れてほしい」

彼は、そう言った後、刹那の
憂い顔を浮かべた。
 
その表情を見た私の心は
刃物で切り裂かれたように痛む