「・・・アキラ
 そろそろ、ここに落ち着いて
 家に電話をひく事、ちゃんと
 考えろよ
  
 こいつ、気に入った物件が
 あれば、すぐに引っ越すから
 面倒くさいって電話を
 ひかないんだ
  
 だから
 こういう時に困るんだよ」

「悪い、悪い
  
 アニキの製作の邪魔したなら
 許してよ
  
 電話の件、ちゃんと考える
 からさ、携帯借りるよ」
  
アキラさんは、そう言うと
会社への電話連絡の為に
席を外した。
  
お洒落なリビングのソファー
に腰を掛け、二人きり・・・

私は、イサオさんと何を
話せばいいのだろう。
 
沈黙が、胸に刺さる。

イサオさんは、前だけを見て
ゆっくりと話し出す。

「アキラに、ミオちゃんの
 気持ちは伝えたの?」