寝室のドアは開け放たれ
乱れた寝具に脱ぎ捨てられた
アキラさんのシャツ。
 
その寝室のドアを閉める
イサオさんの私を見つめる
目線が痛い。

「アキラ、話の前に
 会社に電話しろよ
  
 井村さんがおまえと連絡が
 取れないって嘆いて、俺の
 ところに電話があった
  
 具合でも悪いのかと思った」

「仕事、すっかり忘れてた
  
 嘘、もうこんな時間・・・
  
 ミオちゃんは連絡した?」

私は、今日のバイトが本当は
休みだった事を伝える。

アキラさんは、鞄の中から
携帯電話を取り出すと電源が
おちていたようで、急いで
充電器に繋いだ。
 
「ほら、俺の携帯を使えよ」