彼の綺麗な鎖骨に、私は
手を触れる。
 
彼の胸に、私は身を委ねる。

アキラさんは、私を優しく
包んでくれた。
 
その腕の中、私はそっと
彼の瞳を見つめる。
 
その綺麗で澄んだ瞳が

ほんの一瞬だけ
 
私を見つめる冷たく鋭い

イサオさんの瞳に変わる。

私は、イサオさんに抱きしめ
られているような錯覚に陥り
心臓は蠢(うごめ)き
次第に大きく波打つ。

その時、私の呼吸が乱れ
息苦しくなる。

朝の光が、カーテンの隙間から
溢れ、ベッドに眠る二人に
降り注ぐ。

私は目を覚まし自分の手を
照らす光を眺めていた。