彼はまた、私の手に触れ

今度は、放れないように
強く繋いだ。

私たちは、一言、二言
話した後は、無言のまま
家までの道のりを
並んで歩く。 

薄明かりのライトの下に
浮かぶ、彼の綺麗な横顔に
思わず見惚れてしまう程に
彼は、中性的な魅力を持つ人
だった。
 
男達の前で凄んで見せた
あの鋭く尖った男性の面影は
今は、もう身を潜めていた。

自宅の傍で、私は立ち止まる
  
「もう、ここで・・・
 ありがとうございました」

「じゃあ」

自宅へ向かう私は立ち止まり
彼の後ろ姿を見つめていた。