『姉ちゃんには弱点が二つあるんだよ』
「弱点・・?」
『そう弱点、それで俺には姉ちゃんがだすのが簡単にわかる、』
私は必死に弱点を探そうとする、じゃんけんまでの流れをもう一度頭のなかで反復し分析する、言ったセリフ、行動ありとあらゆることに疑惑を向け吟味する。
『ふふふ・・探してもわからないと思うよ?それはほんとに些細な違いだから、いいや教えてあげるね?じゃんけんする時皆はなにをする?なんて言ってなにを出す?』
「最初はぐーで、ぐーでしょ?それがなんなの?」
『そこに姉ちゃんの弱点が隠れているんだよ、姉ちゃんが最初はグーでグーを出すとき
そのグーの握り方でわかるんだよ』
「グーの握り方?」
『そう握り方、姉ちゃんは昔チョキをうまく出せないって言ってたよね?』
「ん~言ってたわね」
『そう、だからわかる、ちょきを出すのが苦手な姉ちゃんはちょきを出そうとするとその前の《最初はグー》でチョキを出すための準備をしているんだよ、それも自分でも気づけないほどの些細なやつをね、それは一瞬で他の人はわからないかもしれない、でも僕にはそれが見抜ける。チョキを出すときだけ姉ちゃんは親指を握るようにグーを出す、はい種明かし終了~』
そう言われてみても自分の手の握り方なんて考えたこともない私にはわからなかった
『じゃぁ次行く?』
「ちょっと待って」
そういうと雄一は余裕の顔で私に宣戦布告をする
『教えてあげる僕はパーをだす』



