強い意思を自分の中に感じ、今このじゃんけんに全神経を向ける。

まず相手が出すものを予想しなければならない。

なにも考えずに出すのもいいかもしれないが、それは運、負けてしまうかもしれない、いや今まで一度も勝ったことがない相手だ、そんなリスクをおかすわけにはいかない。

しかし今のこの状態ではなにを出すべきかを決めることなどできない。

ぐー、ちょき、ぱーの3パータンあるがどれを出しても勝てるのだが、逆にどれを出しても負ける可能性があるということだ。

私は悩んだがここはじっくりと考えて相手の裏を読むことが一番だと考えた。

そのために私は雄一に目を向ける。

雄一は何やら手を合わせてそれをのぞきこんでいる。なにを出すかを決める行動だ、じゃんけんのときにいつもやる癖のようなものだ。

よしっと一言つぶやくと雄一は私に視線を向けた。どうやらなにを出すか決まったみたいだ。

『準備いい姉ちゃん?やるよ?』

「ちょっとたんまっ!」

はやくしてよーという声を頭の隅で聞きなにを出すかを考えた。

どうする、雄一はなにを出す気だ?わからない。どうすればいい

しょうがないここは相手になにを出すか聞いてみるのがいいかもしれない

『姉ちゃんはやくしてよー』

「ねぇ雄一、なにを出すの?」

『しょうがないなぁ・・・教えてあげるよ、僕はちょきをだす。これでいい?』

「おっけいいよ、ありがとっ」