そしてようやく俺は、

「あの……俺……」

 口を開くが、



『キーン、コーン、カーン、コーン……』



 昼休み終了のベルが廊下中に響き渡る。



 俺が、みんなに感づかれる前に慌てて付け足した言葉は、

「あの、少し考えさせて下さい……」

「え?
 あ……は、はい。
 待ってます」



 それから俺と紗英さんはそれぞれ教室に戻っていった。



 結局、その日はずっと告白の事で頭がいっぱいになって、午後の授業は全然頭に入らなかった訳だ。



 ・ ・ ・



 土日の休日を挟んで月曜日。

 昼休みの時間が来ると、また俺は廊下で彼女に出会った。



「答え……出ましたか?」