「!!!」



 一目見たとたん、身体中熱くなっていくのが感じ取れた。



 そう、なんとそれはラブレターだった。

 幸い、誰もその事には気付いた様子もなく、俺は突っ立ったままその女性と向き合っていたのだ。

 その女性の名前は、

 『鈴野 紗英』さん。



 小学生の頃の1つ年上の先輩だった。

 外見は一目見た感じ、とても美人だ。

 性格も良く、大人しくて優しい女性だった。



 小学校に居た頃は会話をすることも無く、あまり接する機会が無かったはずだが、紙切れには、

「あなたのことが前から好きでした」

 そう書いてあった。

 どうやら片思いであったらしい。



「……」