~みだれ髪~

 彼女に伝えたいことは全て伝えたのだから……



 果たして俺の気持ちは伝えられたのか?

 彼女は頬を赤らめ、下を向いて考え込む。

「……」

「そう、ですよね……

 でもいいんです。
 俺は、今日、話が出来て良かった。
 だから……」





「お願いします」



「……え?」

「私も、和哉君のことが好きです。
 これからも、宜しくお願いします!」





 紗英の明るい表情が、今まで心を覆っていた暗いモヤを消し去ってくれた。

 彼女の笑顔が、俺にとっての生き甲斐だ。

 彼女が笑っていてくれることが、何よりも心の励みとなる。



 だから俺は、



「今まで出遅れた分、これからはずっとあなたの側に居させて下さい」