~みだれ髪~

「私、ずっと待ってたの。
 和哉君が話し掛けてくれるのを。
 だから私、本当に嬉しかった。
 もしかしたら、本当に嫌いになっちゃったのかなって……

 凄く、辛かったの……」



 そんなことも分からずに俺は……

「気持ち、物凄く伝わりました。
 でも俺は、紗英さんのこと、ずっと好きでした。
 この気持ちに偽りはありません。
 だから……

 だから、もう一度チャンスを下さい」

「はい」

「俺は、紗英さんのこと、愛してます。
 もしよろしければ、俺と付き合って下さい!」



 言った!



 とうとう、自分の中の古い自分にけじめをつけたのだ。

 これで断られても、俺の心に悔いはない。