あれから1ヶ月、俺は担任の思わく通りに選挙に残り、必然的に生徒会役員に任命されたのだった。

「よりによって、会計……」

「何かご不満かしら?」



 俺の隣で、俺より背の低い女性の先輩がメガネのピントを指先であわせながら問いかけてくる。

「いえ、何でも、ないです……」

「あっそ……」

 なんか不機嫌そうな顔で一瞥してくると、すぐ手元の資料に目を戻すのだった。



 ここは生徒会室。

 今は来週行われる球技大会の打ち合わせということで1年生から3年生まで集まっている。

「みんな集まったかな?」

 生徒会長が仕切る。



 それにしても、紗英さんも生徒会役員になっていたとは、今になっても偶然と言えるのだろうか?