結局、話を聞くことなく説明会が終了して、役員候補者たちは俺を含め、退室する。



 俺は最後に退室し、それまでの間は驚きの事実に対してずっと心を締め付けられっぱなしだった。



 それはそうだ。

 中学を卒業してからはもう会うことは無いだろうと思っていた人が、今俺の横で友人と楽しく会話をしているのだから……



 だけど、どこか暗い表情が見受けられる。

「あ、あの……
 どうしたんですか?」

 すると、紗英さんの友人が俺が固まっていることに気付いたのか声をかけてきて、俺は慌てて返答する。

「あ、いや……その……
 先にどうぞ……」



 情けない……



 俺は罪人なんだ。