塾帰りの12分


部活に入っていない私は、他のクラスに親しい友達がいないから知らなかった。


そうだったんだ……

オク、明るいけど、クラスではそんなにチャラい感じじゃないんだけどなあ。


「少し自重しろ」


マサにもそう言われ、オクは唇をとがらせた。


「だってさー、もう夏休みなんだぜ?
青い空、白い雲、ビーチにはビキニの女子がわんさか!
なのに、俺は一人ぼっち……って、寂しすぎるじゃん」


すっかりしょげ返ったオクに、奈津は苦笑いした。


「ったく、しょうがないなあ」


私もなんだか笑ってしまった。