塾帰りの12分


そう言ってピンクに頬を染める奈津は、めちゃくちゃ乙女で可愛いかった。


「そうだったんだあ。
おめでとー!」


私は奈津に抱きついて祝福したんだけど。


「くっそおー!
奈津に先越されたぁ!
俺も彼女欲しいーー!」


オクはそう叫んで天を仰いだ。

すると、その額をマサがペチンとたたいた。


「吼えてないで、食え!」

「だけどよー、マサだって彼女欲しくねえ?」

「べつに」

「俺は欲しい~~~!」