「それより先輩、今日うちのクラス終わるの遅かったから、先に帰ったと思ってましたよ。
今までどこにいたんですか?」
私は空気を変えるために違う話を振った。
それなのに、北見先輩はまた意地悪なニヤニヤ笑いを浮かべながら顔を近づけてきた。
「なに、芦川、俺のこと探してたわけ?」
「べ、別にそういうわけじゃないです!」
なんでそうなるのよ!
「私が先輩を探す理由なんてないですから!
ただ、先に帰ってくれてせいせいしたぁと思ってたのに突然現れたから聞いてみただけですっ!」
フン!
そうよ、先輩なんか先に帰ってればよかったのに!


