「それ、主人公の弟が犯人」 急に耳元で囁かれ、私は飛び上がった。 声の主は振り返るまでもなく…… 「北見先輩! 何で言っちゃうんですかあ! まだ途中なのに!!」 推理小説を読んでいて、先に犯人を言われることほど嫌なことはない。 「そんなの、そこまで読んでればだいたい想像つくだろ? ってか、わかってなかったらその先読んでも無駄だ」 キーーーッ、ムカつくーーー! ありえないんですけど!! 「わ、わかってましたよ! 弟が怪しいとは思ってました!」