かじかんだ手で触れた缶はとても熱く、こぼしそうになるのを危うく持ち直した。 「あのっ?これは?」 「いいから持ってろ」 命令口調で言われ、ムッとしながらも言われたとおりにしてると、北見先輩はケータイを出した。 人に缶持たせて何するつもり? 見ていると、どうやらまたサッカー中継みたい。 その画面を見ながら、北見先輩は聞いてきた。 「で? 覚えてきたか?」 「…………」 私は熱い缶を、右手から左手、左手から右手へと持ち替えながらしぶしぶ答えた。 「……いえ、覚えてません」