そうこうするうちに電車は野川駅に到着。
先輩はさっさと電車を降りて改札へ向かおうとする。
その腕をつかみ、私は改札と反対の、ホームの一番前へ先輩を引っぱって行った。
「一生のお願い。
先輩、私、何でもいうこと聞くから、家まで送るのだけはやめて!」
顔の前で両手を合わせ、拝み倒し作戦に切り替えた。
もうこうなったら、どんな手を使ってでも先輩を父から遠ざけないと!
野川駅のホームは、高架になっていて、一番前の端からは眼下に野川を見渡せる。
川原の土手には、犬を散歩させる人やジョギングする人が見えた。
しばらくじっと私を見下ろしていた北見先輩は、やがて口を開いた。


