塾帰りの12分


「あれ、先輩?
降りないんですか?」


ドアが開いても動かない北見先輩。

私の顔を見て、平然と答えた。

「今日からは聡美の家まで送ってくよ」

「ええっ!?家まで?」

「ああ」


驚く私との、この温度差はなに?

あたりまえのようにそう答える先輩と、閉まるドアを見比べて、途方に暮れた。


付き合うって、それがあたりまえなんだ……。


自慢じゃないけど、男子に家まで送ってもらったことなんて、今まで一度もないんですけど。