「いや、だって、先輩が急に近づいてくるからっ」
言い訳すると、今度は右手でがっちり後頭部を押さえ込まれた。
「逃げるな」
「いや、そんなこと言われても、急にこんなの、ムリですって!」
必死に逃げようともがくけれど、ますます締め付けるように先輩に抱きしめられてしまう。
「ムリ、とか言うな。
黙って目つぶっとけ」
「そんな!
だって、こんなムードもなんにもない……、ン、ムムッ」
えーーーっ!
うそーーーー!
私の貴重なファーストキスがあぁぁ!!
目をつぶるどころか、真ん丸く見開いたまま、私の唇は北見先輩に奪われてしまった。


