塾帰りの12分


呆然としていると、ケータイをしまった北見先輩が、急に顔を寄せてきた。


えっ?なに!?


反射的に顔をそらすと、逃がすまいとするかのように、先輩の左手が私の腰に伸びてきた。

グイッと引き寄せられ、また顔を寄せてくる。


「ちょっ、先輩!?」

すぐ目の前に迫った先輩の顔を、とっさに両手で押し返す。


「イテッ」

「あああっ、ごめんなさい!」


私の手は、オクに殴られた先輩の口元に、もろにぶつかっていた。

「おまえなあ……」