塾帰りの12分


「そういう先輩は、いいんですか?」

「俺はもう今日は帰るわ。
今行ったら、あれこれ聞かれそうだしな」


ああ、そうだよね。

私のせいだ。


「すみません」


頭を下げると、北見先輩は笑った。


「聡美が謝ることじゃないだろ?
それより、早く行かないともう始まっちまうぞ、あっ、つぅ……」

言い終える前に、先輩はまた痛そうに顔をゆがめる。

「だ、大丈夫ですか?」

「ああ、これくらい、どうってことねーよ。
ほら、早く行け」