「で、聡美は親父さんと仲直りしたのか?」
「え?」
「俺の電話のせいで親子喧嘩したんだろ?」
「ああ……」
正直、あの一件以来、父との関係は今までにも増して最悪で、ずっと口を利いてない。
できるだけ顔も合わせたくなくて、私は家ではもっぱら自分の部屋にこもっていた。
でもそれは、先輩の電話だけが理由じゃないからなあ。
私が考えこんでいるうちに、電車が到着した。
電車に乗り込むのを機に、あまり話したくない父のことから話題をそらそうと思ったんだけど。
「もしかして、まだケンカ続いてるのか?」
つり革につかまった北見先輩に顔を覗き込まれ、返事をしないわけにいかなくなった。


