ところが。
「……やっぱりいない」
翌日、早めに塾に来て、東大コースの部屋を覗いてみたけど、北見先輩の姿はなかった。
先輩、塾辞めちゃったのかな?
しぶしぶ自分の教室に戻って講義を受けたけど、なんだかずっと上の空だった。
あーあ、一人で帰るのって、つまんない。
夏期講習の後半から毎日一人で帰ってるけど、北見先輩とお喋りして帰る日々に、いつの間にか私は慣れてしまっていたらしい。
音楽を聴いても、文庫を開いても、ちっとも頭に入ってこなくて、結局、ぼうーっと北見先輩のことばかり考えてしまう。
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