◆北見孝太郎side 『はい……。 えっ、ちょっとや……』 『今、食事中……』 『……向こう……急用……』 聡美? 男の声は父親か? 食事中、っつったか? ケータイを耳にあてたまま、部屋の時計を見る。 ああ、夕飯時だったか。 まずい時間に掛けちまったかな。 電話の向こうからは、なにやら派手に争う雑音が聞こえてくる。 だが、次の瞬間。 『ツーーー』 切れた。