青年の父親は、気立てのよい秀代をひと目で気に入り、二人の結婚を許した。
しかし、青年の母親は、二人の結婚をよく思わなかった。
青年は、東大を卒業したエリート官僚で、母親は、そんな息子が自慢だった。
息子には、家柄も学歴も申し分ない才色兼備の娘を嫁に、と考えていた。
だから、そういう縁談をいくつも見つけてきていたのだ。
それなのに青年は、それらをすべて断り、秀代を連れてきた。
秀代は、器量こそ悪くなかったが、家柄も学歴もさほどよくない田舎娘だ。
青年の母親は、秀代を、大切な息子をたぶらかした悪い女、と憎んだ。


