そして、その夜、
オクから電話が来た。
私は覚悟を決めて電話に出た。
「もしもし」
『あっ、聡美?
よかった、やっと出てくれたー。
あの、この間のことだけど、本当ごめん!
俺、調子に乗っちゃって……』
「本当だよ……
私、すごく怒ってるんだから」
『うん、わかってる。
本当に悪かったって思ってる。
すげえ反省してる。
ごめん。
だからさ、お詫びさせて?
今度はちゃんとするからさ。
食事おごる!
聡美が好きなもの、何でも頼んでいいから!』
私は奈津とした『オクと二人きりでは会わない』という約束を思い出した。


