塾帰りの12分


いや、先輩にはアドバイス求めてないんだけどな。

先輩はオクのこと知らないわけだし。

私は複雑な心境であいまいに返事した。


「はあ……」


しかし、私のその中途半端な返事を、北見先輩は勘違いしたようだった。


『なんだ、迷ってるのか?
好きなら付き合えばいい。
好きじゃないなら断ればいい。
それだけのことだろ?』


先輩、すっかりご意見番みたいになっちゃってるよ。

こうなったらちゃんと話すしかないか。


「いや、付き合うつもりはないです。
ただ、友達ではいたいっていうか……」